シュタインズゲート「桐生萌郁」 考察 優秀な社員は誰もがラウンダー

桐生萌郁(きりゅうもえか)について考察・感想

アニメSTEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)に登場する桐生萌郁(きりゅうもえか)ラボメンNo.005について、

(この記事は物語のネタバレを含みますのでご注意ください。)

桐生萌郁はシュタインズ・ゲートの登場人物の中で、人気が高いかというと難しいところです。

ただ、私は萌郁みたいなキャラクターは好きといいますか、ミステリアスな部分に惹かれ、考察をしてしまう登場自分でした。

桐生萌郁とは(ラウンダーという部分)

桐生萌郁(きりゅうもえか)は感情をあまり表にださない人物で会話がほぼ携帯という人物です。

FBの任務に忠実で、仕事も真面目こなします。

アニメの中でも、物を調べるスキルやPCのスキルも高いと思われ、いわゆる「仕事ができる」キャラクターに映りました。(IBN 5100はなかなか手に入りませんでしたが)

萌郁にとってのラウンダーとは=もし萌郁にキャリアウーマンとしての「居場所」があったのなら、きっと優秀な人物だったのではないかと感じます。ボスの任務を忠実に遂行する部分です。

 

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萌郁から感じた社会の縮図(興味をもった部分)

なぜ、萌郁(もえか)に興味をいだくのか、それは、萌郁をよく観察すると現代のサラリーマン・キャリアウーマンの縮図であり、見渡すと今の社会で見つけることができる人物像なのではないかと感じました。

萌郁の場合は、できるキャリアウーマンです。

アニメ20話の部分、冒頭、岡部 倫太郎(おかべ りんたろう)より言われた言葉、

そうやって依存したまま、捨てられて死んでいくんだ

中盤、FBより言われた言葉、

依存心の次は、現実逃避か

萌郁にかけられた言葉で、世間的にいうと評価される良くできるサラリーマン・キャリアウーマンを思い浮かべました。

なぜ、そう思うのか、

萌郁にとってはFBですが、会社員にとって、FBは上司、ボスにあたる存在だと思います。

上司・会社を信じ、生きて行く、ある意味、宗教のようにも感じるのですが、褒められ、認められ、成果も残し、承認を求める。

きっと萌郁のように居場所というか、自己肯定感が低く、承認を求める気持ちが強い会社員ほど、世間的にみたら、良くできる、萌郁のような会社員なのではないかと感じました。

彼ら、彼女らは、ふだんの生活の中で、もしくは、今までの生き方の中で、親や他者から肯定されることが少なかった。

自己肯定感を高めたり承認欲求を満たすために、頑張って勉強し良い学校を目指し、そして良い会社に勤める。

そして、会社という組織の中で、さらに承認欲求を求める。

仕事をこなし、褒められることで自己肯定感を高める(満たす)。

目の前の上司のいうことを忠実にこなそうとする。

上司の本質がどんなパーソナリティかなど気にしない、というか見えていない。

認められればよい。

意識できない、萌郁がFBの本当の姿を見抜けなかったように。

承認欲求を満たすために必死に頑張る。

時に「その仕事の内容が道徳に反しているものなのではないか」ということも、自身の承認欲求を満たし上司から認められれば平気で、できてしまう。

少し感覚がおかしくなってしまっているのではないかと思います。

例えばですが、普通ならこれは商品として売ってはマズイんじゃないか、根本として顧客のニーズに反している。購入する人のことを考えているようで、実際は考えてないようなサービス(商品)も平気で開発してしまったりするのではないかと感じることがあります。

(※具体的にどういうものかは、いちサービスの批判になりますのであまり詳しく触れません。申し訳ございません。)

上司から認められれば、ひいては、働いている会社から認められればそれで良い心理です。

会社を通して自己肯定感を高めるために、ほんとうは「?」のサービスを作ったり、商品を開発してしまったりする部分があるのではないかと感じるところがあります。

私がそういうものを目にしがちな所に居ただけかもしれません。

シュタインズ・ゲートの桐生萌郁の行動の根本も、自己肯定感・承認欲求だと感じます。

そこが、今の社会の会社員を思い浮かべるのです。

ただ、そんな優秀な人たちも、根本的には依存心という形でつながり、必要とされなくなれば、あっけなく捨てられ、居場所がなくなってしまう。

岡部 倫太郎とミスターブラウンの台詞から感じた部分です。

 

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では、桐生萌郁をキャリアウーマンとして具体的に照らし合わせると

桐生萌郁が上司からの要求を忠実にこなすところが現代の会社員像と重なります。

道徳に反しても行ってしまう部分だと、まゆりを「必要ない」としてしまうのですが、桐生萌郁はなんとも思わないのですね。

このシーンで萌郁の印象はだいぶ悪くなってしまいましたが、

ただ、まゆりに対して感情を持たず、必要なことをやり遂げる姿は、世の中で働くサラリーマンを思い浮かべてしまいました。

まゆりに対して行ったような極端な行動はないにせよ、こんな危うい感情を抱えている人が意外にも多い気がします。

桐生萌郁はときに、FBの期待に応えるために、スキルを有効に使い仕事もできて、頭も良い。

生まれもった性格とスキルがまた、都合よく扱われる部分も重なります。

上司というよりこのアニメの場合は、もう下司なんですが、FBにとっては本当に都合の良い、性格とスキルなんですね。(いざとなれば武器を扱え、車も運転でき、萌郁って万能だと思うのですね。家事炊事ができず生活能力が低そうな部分も現代のキャリアウーマンに似通っているところがあります。※あくまでイメージです。)

そこに、自己肯定感の低さをうまく利用され、依存させ、使い捨てで扱われる。

これは、この世の中のサラリーマン、キャリアウーマンなのではないかと考えるのです。

個人的な意見ですが、今の消費社会で産み出されるアイデアを少し恐ろしく感じるところがあるんですね。

顧客のニーズの為というウラではお金を使わせる仕組みを隠してたりですね、法律的にはOKですが、倫理的に人として「その売り方ってありなの?」っていうサービスを感じて働いてきたところもありました。

しかし、萌郁みたいな人は、いとも簡単にやってのけてしまうのですね。

まゆりのシーンですが「FBのため、FBのため(上司のため、上司のため)」ときこえてしまうのです。(怖い・・・。)

優秀な社員を使う側も、自分を信じて働いてくれて、しかも高いスキルでやってのけるので使いやすい。

そんな構造のループが、今の世の中ですと「とんでもサービス」を生むわけなんです。

例えばですが、なんでしょうか、特定のサービスをあげませんが、例えばですが、カスタマーサポートなどで必要以上に顧客満足度を追ったりですね。(そもそもどういう基準が曖昧です。)

私は以前、カスタマーサポートの仕事をしていたことがあります。

ある時のお問い合わせだったのですが、「いつも使っている商品に表示されたマークがどうしても消えない、何も触ってないのに突然あらわれた」という内容でした。

どういうマークか不明で、そもそも機能が多くて、どう影響しているのかわからず不安でしょうがないというような内容でした。

私の聞き方も悪かったのかもしれませんが、数ある表示の中でどの機能のこと言っているのか、電話越しなので、直接見れずに、おっしゃっていることを特定することができなかったのですね。

何も触ってないのにとおっしゃるのですが、ほぼ、無意識でどこかに触れてしまうパターンが多いのです。

それで何回か電話越しのキャッチボールを繰り返し、しまいに電話口の人は「どうしてこんなに〇〇からいじめられないといけないのか」(〇〇→会社名)としまいに泣き出してしまいまして・・・、

直接、拝見できるのであればこちらも見て確認したいのですが、ほんとうに、ちょっと正直、申し訳ないのですが、情緒があまりよろしくない方だったようで、もうこちらも困ってしまい、どんどんエスカレートし、しまいには電話越しに泣き叫んでしまいまして、

もう、申し訳ございませんを連呼するしかありませんでした。

正直、こちらも一緒に泣きたかったのですが、電話を切るに切れませんで、もういっそうのこと、隕石が落ちるぐらい奇跡的な確率で、このまま何か設備が故障して通信が途絶えればよいのにと心の底からあの時は思いました。

ダメ社員で申し訳ありません。

なんとか会話が終了し、結局のところ、使うにあたって何か特別影響のある表示でなかったのですが、どうしても表示されるマークが気になってしまったようでした。(結局なんの機能だったのか、あまりの電話越しの激しさに今はもう忘れてしまいましたが、きっと忘れるくらいなので大した機能ではなかったのだと思います。)

そのあと、まあ上司に呼ばれ、怒られるんですが、でもちょっと通常じゃないような感じでして・・って言いましても、なぜ、このようなことになったのかちゃんと説明してください、考えてくださいと説教になりまして・・・。お客様の気持ちを汲めてないのはどうしてかと、しかも淡々と・・・。いやちょっとネチっこかったですかね。

あれはほんとに嫌だったな。

正直、会話が成り立たなかったので、反省もなにもないと思うのですがうそでも、上司にすみませんでした、以後気をつけますと謝るしかなく・・・。

まあ、私は、そんな泣いてまでその会社の商品を使うほど、その商品に依存するのもどうかと思ってしまいましたし、ひいては、そんな何に使うのかも判断できないような余計な表示が出るような機能をつくってしまうから、こんなことになるんじゃないかと、素直に思いまして・・。(言い訳していたらほんとうにすみません。)

「泣いてまで使わなくてもいいですよ」と、いっそのこと正直にお伝えした方が電話越しの人の為だったのかなぁと今となれば思うところです。

決定権さえあれば、ご返金させていただいて、申し訳ありませんでしたで終了できればと、そんな簡単にはいかないですね。

ふだん、このような感じで商品やサービスを供給していたら、お客様満足度とかいう前に、社員がストレスで死んでしまってほんとうに満足なものを提供できなくなってしまいます。

なんだか個人的な愚痴になってしまいましたが、

私の例で言いますと「顧客満足度」なるものを考える人って、その下で働いている社員のことは考えてないですよね。

でも、その背景には、上司から認められる商品、他社とは違うサービスを考えなくてはならないので、顧客満足度を求める結果、「とんでも発想」が背景にある商品が産まれるワケですから、このような、上司(会社)への依存心、承認欲求を満たす心理が産む、今の世の中のサービスに危うさを感じたりしました。

どれも、頭がまわる人がそんな心理のもとで必死に考えるのだから、さらにその下で躍らせられる従業員、はてはエンドユーザーもたまったもんじゃないかと思うのです。

桐生萌郁 がFBの為なら、企業で働く会社員は上司の、もしくは会社を通した自己実現、自己肯定感の為に生きているように映りました。

萌郁は、ちゃんと働く会社があったら、そうとう優秀なキャリアウーマンだったのだろうなと想像します。(今は会社の会話もパソコンのチャットでできますしね)

でも、実際はそうではなく、引きこもりの萌郁は、萌郁らしく、そんな欠陥したところが好きで、仕事ができるキャリアウーマンではなく、根暗で人と話せず、依存に走った姿をみせてくれて、なんとなく共感しました。

できる人も、落ちこぼれも表裏一体の世の中の構図を感じるのです。

私は、萌郁なようなところがあるかもしれませんが、萌郁みたいにはなれません。

おそらく、萌郁はメンタルがかなり強いと思います。

私の場合、納得できないことやれって言われたら、しだいに精神を病み、体調壊し、最悪逃げます。

いずれ心か体のどこかに必ず拒否反応がでます。

萌郁はFBの命令であれば、どんなことも任務を遂行します。

淡々と、冷酷に、仕事でなければ絶対言えないようなことを平気で人に言うように。

大学生のようなノリや発想でつくったサービスを強制させられるような、正直イヤな経験がありまして、「考えてつくるのは自由で良いとは思うのですが、やるなら自分で会社をつくってやってください」と思うこともありましたが・・・まあ、普通はそんなの断れないですね。心が蝕まれます。

車の運転がうまい萌郁は、色々なスキルの高さを感じるのですが、シュタインズ・ゲートゼロですと、峠で運転するシーンがありました。(ゼロ13話)

萌郁ならマニュアル車のシフトチェンジですとか簡単できてしまいそうです。けっこう高いヒール履いてましたね。クラッチとか踏めるのでしょうか。(アニメではたぶんオートマだったと思いますが)

でも絵になり、カッコイイです。

何をするにも無表情でちょっと怖いですが。

岡部 倫太郎(おかべ りんたろう)から峠を安全運転でと言われて、安全⇒「山の日は早い、早く着くつかないと真っ暗、暗いのは危険、早くつくのが安全」という部分で、ドリフト走行するのですが、こんな「とんでも発想」ができるのも、世の中では頭が良いといいますか、一般の常識とは少しズレた発想ができるの人が、優秀な社員と考えられるところではないでしょうか。

このシーンはギャク要素もあるので、萌郁に対してなんとなく親しみの湧く部分でして、好きなシーンでした。

 

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まとめ 萌郁をみて、優秀さと洗脳が表裏一体と考える

桐生萌郁(きりゅうもえか)について感じた記事のまとめになります。

萌郁を考察し感じた、現代社会の縮図は直球で言うと、上手いこと利用された会社人間です。

少し苦しい表現になってしまいました。

まあ、それでも、萌郁のように依存心が根底にある人は指示であればなんとも思わず、まゆりを片付けることができる強いメンタルの人、

それを会社に例えると、自己肯定感、または承認欲求と差し替えに、上司の理想を忠実にこなせる人間と例えました。

もしくは、とんでも発想のサービスをつくっても、その下で働く人間がしんどい思いする部分もスルーできる(そもそも考えない)メンタルの強さがあるんじゃないかと考えたりするのです。

実際の人間は、もちろん色々な部分を考えて、悩むと思いますが、極端な例としてです。

ちょっと見、萌郁は無口で携帯依存などがあり社会的に不適合な人物にもうつりますが、萌郁なりの居場所と人に恵まれれば、とても優秀な能力を発揮する性格だと思います。

頭良いんですが鈍感なところもあったりです。

多くの人は、下のことを考えずに、鈍感な人がつくってしまったもの、言いにくいですが、ちょっとズレた「とんでも発想」でうまれたものを扱っていると思います。正直、いやいやの部分があったりしてやるので、心や体を壊していくのではないかと思うのです。私はこっちのパターンです。

萌郁みたいに上司を信じてやっている人ばかりではなくて、私は逆の人間なので、洗脳されきった社員のような萌郁はある意味幸せな生き方ではないかとも考えるのです。

依存が経たれれば終わりですが。(でも萌郁は現実逃避があります!)

 

桐生萌郁から感じた、現代の会社員像もふくめ、キャラクターを考察させていただきました。

 

時として、うまく優秀な社員の自己肯定感、承認欲求を利用し一部の人間が甘い蜜をすっている権利の構造、そんな世の中も考えたのです。

ミスターブラウンもSERN(セルン)の配下にあり、生きるためにラウンダーをしておりました。これは、ある意味SERNへの依存ですし、ブラウンは萌郁の依存心を利用しておりましたが、依存という心が上に上に連なる負の連鎖は、今の会社の構造にも通じます。

 

そして、最後は、オカリンが世界線を変えて、萌郁を、萌郁らしい個性のまま、FBへの依存から解放しました。

シュタインズ・ゲートの世界線で萌郁らしく生きることができたこと、実際の世の中も、そんな素敵な世界であって欲しいと思ったしだいです。

本来であれば、ひとりひとりが依存心と切り離され、損得感情を抜きに、それぞれが「らしく」生きられる世界です。かつ、ラボメンのような、独特で個性的な人たちが主役の世の中であって欲しいなと願ったしだいです。

桐生萌郁から感じた今の社会の構造も含めて考察した部分を書かせていただきました。

ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。

追記:ちなみに、オカリンのファーストキスの相手は、この桐生萌郁だと思っておりましたが、劇場版で相手が紅莉栖(クリス)というところにも、またこの物語の面白みを感じました。(世界線は違いますが)ちゃんと最初のアニメ24話を観て少し疑問に思ったところ、これで良いのかなって疑問の伏線を回収するところはほんとうに良くできている作品だと思います!

※ネタバレなしの感想記事はこちらです⇒参照:7年の時を超えて感想 STEINS;GATE シュタインズ・ゲート ネタバレなし

桐生萌郁 「STEINS;GATE 0 56mm缶バッジ」

 

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